「政治」とは何か? 参考書の記述に考えさせられました。

「政治って何?」

と聞かれたら何と答えるでしょう?

中学3年生の公民の授業。解説を見てもらった後に、きちんと覚えられたかの確認のためにテキストから問題を出すことがあります。

「政治」という言葉を答えてもらおうと思ってテキストの説明を見ると、こう書いてありました。

「社会の中で生じる対立を公共の課題として考えて調整し、社会を成り立たせること」

私は、「なるほどいいことを言う!」と同時に、「中学生に伝わるかなあ…」とも感じました。

人間が集まれば「社会」が生まれます。中学校のクラスもある意味社会と言えますね。

そして人間が集まれば対立が生じます。これをただの喧嘩ではなく、「自分たちが全員で解決しなければならない問題」としてとらえて、「どうしたら集団がうまく成り立つだろう」と解決策を考えること。これこそが「政治」なのです。

だから、我々も日々「政治」をしているとも言えますね。

大切なのは、「調整して社会を成り立たせること」です。

自分の意見を叫ぶだけでなく、相手の主張を理解して、自分の思う通りではなく相手を含めたクラス全体がうまく進んでいける方法を考えることが重要なのです。そしてそれが、結果的に自分が属するクラスという「社会」が居心地良いものになるための方法です。

なんとなく、近年は政治と言うと「自分の主張を叫びあうこと」のようなイメージがあるような気がしてしまっています。余談ですが。

一方で、この文言を読んで「なるほどー!」とピンとくる中学生は少ないだろうなあ、とも思いました。

まず語彙として、「生じる」「公共」「調整する」などのことばがなじみがない可能性があります。

そして、話し言葉ではなく硬めの書き言葉なので、読んでも頭に入ってこない・イメージがわきづらい生徒も多いのかなと感じています。

授業をしていても、テキスト付属の解説映像を見てもピンと来ない、という子はたくさんいます。それを身近な言葉にかみ砕くことも大切ですし、そのまま理解できるような言葉の力・思考力を鍛えていくことも同時に行わなければいけません。

子どもたちが「政治」に参加するために、こういった文を読み解く力と前提知識を身につけていってもらいたいなあ、と思った出来事でした。

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