古文の学習で、「係り結び」を教えることがあります。
・文中に「ぞ・なむ・や・か・こそ」があったら、強調や疑問・反語の意味になるよ!
・文末は連体形、ただし「こそ」だけは已然形になるよ!
というやつですね。
もちろん係り結び自体は現代日本語ではなくなっていますが、「ぞ・なむ・や・か・こそ」の言葉は現代でも残っていて、それをヒントに教えることがあります。
例えば…
「ぞ」は文末につけると強調(俺は強いんだぞ!)
「か」は文末につけると疑問(今日は雨が降りますか?)
「こそ」は名詞につけると強調(お前こそがチャンピオンだ!)
などなど。
わかりづらいのが「や」で、標準語では使いませんが、関西弁などでは
「お前はだれなんや!」(疑問)
のように残っています。
しかし、結びの形の変化(文末が連体形・已然形になる)はさすがに生き残っていないだろうと思っていたら、最近例を見つけました。それが、
「好きこそものの上手なれ」
です。
この「なれ」、最初に聞いた時に違和感ありましたよね?
これは、係助詞の「こそ」があると、文末が已然形(エ段の音)に代わる、という古文の文法の名残だったのです。
古くからあることわざや言い回しには、古文の表現が残っていたりするんですね。
お正月シーズン、おじいちゃんおばあちゃんとお話ししたり、テレビの時代劇を見たりする中で、意外と勉強になるフレーズに触れられるかもしれません。