歴史総合の勉強法②「歴史の流れをとらえる」ってどういうこと?

新科目「歴史総合」の勉強の仕方

↑前回の記事で、歴史総合の勉強法で悩んでいる人がたくさんいるようなので、少し補足です。

テーマは、「教科書の読み取り方」です。

よく、

「言葉だけ覚えるんじゃなくて、流れを覚えよう!」

と言われます。

じゃあ、流れって何でしょう??? どう読み取ればいいんでしょうか?

一言で言うと、「なぜその事件が大事なの?」って考えることです。

言い換えると、そのことの「意味」や「歴史上の位置づけ」を考えることです。

例えば、サッカーW杯について、↓のような文があったとします。

「1998年に、日本代表はイランに勝ってW杯の予選を突破した。」

これだけだと「ふーん」って感じですが、これは日本サッカー史上における大事件だったのです。

1954年のW杯初参加以来、日本代表はずっと予選敗退をしていました。

特に1994年の予選ではいいところまで進みましたが、最終戦の後半ロスタイムに失点し、予選突破を逃したことは「ドーハの悲劇」と呼ばれています。

「今度こそ!」という意気込みで臨んだ1998年大会で、日本は史上初めて予選を突破したのです。「ジョホールバルの歓喜」などと呼ばれていますね。

しかも、その次の2002年は日韓共催となり、開催国なので自動で予選通過できてしまいます。

1998年に自力で予選を突破しておかないと、「初めての本戦出場が開催国枠」という不名誉なことになってしまうところだったのです。

そして、これをきっかけに、その後の大会では毎回予選を突破できるようになり、日本がW杯本戦の常連になりました。

つまり、最初の文章は次のように覚えるべきなのです。

「1998年に、日本代表はイランに勝って史上初めてW杯の予選を突破し、これをきっかけに本戦出場の常連となった。」

これだと、確かに大切な事件だな!って気がしてきませんか!?

(少なくともサッカー好きな人にとっては…)

この赤字の「史上初めて」とか、「これをきっかけに~」にあたる部分は、よく読むと教科書に書いてあるはずです。

言葉を覚える前に、その言葉の「意味」や「位置づけ」を読み取ろうとすると、より理解が深まって、覚えやすくなります。

もう一つ、日本史で例を挙げてみましょう。

「1946年、相沢忠弘が岩宿遺跡(旧石器時代)を発見した。」

これだと年号・名前・遺跡だけの無味乾燥な文ですが、これも日本史上の大事件です。

実は、この発見より前は日本の歴史は縄文時代から始まっていました。

縄文より前、氷河期には日本に文明はなかったと考えられていたのです。

でも、この相沢忠弘が、氷河期の地層から石器を発見しました。

これを聞いた学者たちは驚きました。「日本にも、縄文時代より前の氷河期に人が住んでいたのか!」

その後これをきっかけに調査が進み、他にも氷河期の遺跡が大量に見つかり、日本にも氷河期に「旧石器時代」という時代が存在したことが証明されたのです。

つまりこの文は、

「1946年、相沢忠弘が岩宿遺跡を発見し、これをきっかけに日本に旧石器時代があったことが初めて示された。

となります。超重要な遺跡ですね。

ちなみにこの後、旧石器時代の遺跡が大量に発見されますが、そのどさくさに紛れて「遺跡ねつ造事件」が発生したりするので、興味のある人はぜひ調べてみてくださいね!

こんな感じで、「意味」や「位置づけ」を読み取っていくと、まず納得感があるので覚えやすくなります。

それだけでなく、勉強することの楽しさも少し出てくるのではないでしょうか??

また最近の大学入試問題は、ただ言葉を答えさせるのではなく、文章や図表の読み取りを通じて考えさせる問題が増えています。そういった問題にも、きちんと歴史の流れを理解していれば対応しやすくなります。

教科書から読み取りづらい時は、先生に聞いたり、参考書を買ったりするといいですね。

参考書を選ぶときは、読んでみて「意味」や「位置づけ」が読み取りやすい、少し厚いものや、やさしい言葉で書いてあるものを選ぶとgoodです!

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