前回は、昨年までの千葉県私立高校の基本的なしくみをご紹介しました。
前回の記事:私立高校入試は6月!? 推薦の仕組み 中3生必見!
さて今回は、2024年入試で大きな変更がありますので共有します。
特に、千葉市周辺の中3生には非常に大きな変更となります。
結論から言うと、
・千葉敬愛高校、敬愛学園高校の(総合)進学コースの併願推薦が募集停止
・千葉明徳高校 進学Sクラスの併願推薦基準が5科18→20に変更
となります。現時点での情報ですので、他校も大きく変更がある可能性があります。
特に千葉敬愛・敬愛学園は、千葉市近隣の中学生の併願先としてはトップクラスの人気校です。
2023年度では併願推薦で合計で2500名以上の合格を出していた2校が、募集を停止するということはかなり衝撃的です。
補足を3点します。変更点の詳細と、この変更の背景にある事情、今後の受験への影響です。
まずは千葉敬愛・敬愛学園の変更点の詳細ですが、
① 単願推薦は昨年同様に募集する
② 上位コース(特別進学コース)は併願推薦を実施する
の2点です。
つまり、両校とも一番入りやすい(総合)進学コースについて、併願推薦での募集を停止するということですね。
また、近隣の同じくらいのレベルで人気がある千葉経済大学付属高校については、来年度入試の詳細はまだ不明です。
(※8/3追記 千葉経済大学付属高校は、昨年同様「5科18」の基準で併願推薦を行います)
次にこの変更の背景ですが、コロナ禍・修学支援金の拡充により、私立高校の人気が高まってきていました。
加えて公立入試の一本化により、公立高校の不合格者が増加し、併願推薦を取った生徒が実際に私立高校に入学する割合が増えました。
その結果、私立高校が受けいれられる収容人数の限界を越えそうになってきているのです。
つまり入学者数を絞る必要が出てきたため、基準点の上昇や併願推薦の募集停止に繋がっているのです。
最後に今後の入試への影響です。
まず、学力中位層(偏差値45~55)の併願推薦の選択肢が狭まります。そこで、従来通りに併願推薦を募集する高校に志願者が集中し、その高校も定員の問題で合格者を絞り… という流れで、千葉県全体として併願推薦が非常に取りづらくなる可能性があります。
そうすると、生徒が取れる対応としては3パターンになります。
1.より高い内申点を取って、併願推薦を獲得する
2.公立高校第一志望の生徒が滑り止めの私立を確保するために、推薦ではなく一般受験で何校も受験する
3.最初から私立単願を選ぶ
いずれにせよ、公立高校入試が一本化したこの3年以上に千葉県の入試の様相は変化していくかもしれません。
最新情報は随時ブログにてアップしていきます。